【男女の海は温かかった】
男女群島 マルタ瀬
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12月始め、私の幼なじみで釣り仲間の塚副君の花屋さんへ遊びに行くと、18日から男女へ行ってくるけんね、と言う。今度は川棚の同業者の川野君と行くらしい。塚副君とは今年2月に男女へ釣行を計画したが荒天で中止になった経緯がある。人が行くと聞いたら自分も行きたくなるのが釣り人の性、早速釣り仲間の鶴君に電話を入れ誘ってみる。鶴君は一発でナイスな針がかりで喰ってきた。その場で今度はいつもお世話になっている佐世保漁具の津田さんに「ばらもん」に予約の電話を入れていただくが、もう18日の便は満杯との返事である。しかたなくキャンセル待ちをいれておくことにする。日頃の行いが実ったのか4日程後に空いたから行きますかとの電話があり正式に予約を入れる。
さあ、行くとなったら準備である。釣りの最大の楽しさは行くまでのウキウキ、ソワソワの時間です。仲間と持っていくものを確認し、何度も何度もバッグから入れたり出したり、忘れ物はないか、リールは、ロッドは、食料に、防寒具、さては寝袋にマット、女房から「何処にキャンプにいくとね」と言われる始末。そうこうしているうちに当日を迎える。
朝から佐世保漁具に電話し撒餌の手配をし、午後7時出航に合わせ早めに仕事を済ませる。もう心は男女群島の本流に乗っている気分である。最後に女房が握ってくれたおにぎり8個をバッグに詰め、ばらもんを目指す。自宅からバイパスを通って25分で着く計算だ。5時半到着。予定どおり、早速荷物を下ろし、相棒の鶴君が来るのを待つがなかなかこないので船に荷物を積み込む。
今回は男女用に佐世保漁具で買った50リットルクーラーも持ってきた。帰りはクロで満杯の筈である。ややして鶴君到着。後は出航を待つのみである。約30名の釣り人を乗せてビッグばらもんのたくましいエンジンの鼓動が、釣り人の心拍を助長させるがごとく浦頭の港に響き渡る。午後7時、微風、ベタ凪のなかを浦頭港を出航、全速前進、目指すは南南西、男女群島。約3時間の航海で暗やみの中に男島の影が浮かび上がる。
予定どおり、10時頃には瀬渡し開始。私と相棒の鶴君は男島西側に上礁し、早速夜釣りの準備をし竿を出すが電気浮きを消し込むのは金魚ばかりで、12時には二人とも寝袋に入って高鼾を男女の夜空に響かせ熟睡、星空が美しいなとあれこれ考えているうち寝入ってしまいました。
6時頃起床、豚汁とおにぎりの朝食をすませ、朝まずめの一発を狙って瀬際、沈み瀬とあれこれ攻めてみたが鶴君にキロ級1枚と足の裏サイズが1枚きただけで私はノーヒット、8時頃、ばらもんが見回りに来る。鶴君は居座りを主張、私は瀬替わりを主張し結局、瀬替わりすることになった。聞いてみると夜釣りではどこも釣れていないらしい。
瀬替わりの船上で、船長が「丸太瀬に行くぞ、荷物は最小限にしろ」との忠告があった。なにせ丸太瀬は1坪も無いような裸瀬で足場は2人が立つのがやっとの超A級ポイント、ポーターがドンゴロスを準備し、私にロープは持っているかと聞く、本当は磯バッグは持って降りたくなかったのですが、状況が解らず、ハリスとか浮き、ロープなど磯バッグにいれたままだったので磯バッグも降ろすことにした。まず鶴君が降りる。船首から鶴君が飛び降り視界から消える。そうそのくらい小さな瀬なのです。そう思って次に私が降りようとした時私が目撃したのは、滑り台を滑るがごとく海に落ちていく鶴君の姿でした。
幸い落ちた所に足場があって自力ではい上がって来ましたが、瀬全体に海苔がついてて非常に滑りやすく、素早く足場にドンゴロスを敷いて、足場を確保、瀬の頂上に打ってあったアンカーボルトにロープをかけて荷物を縛りつけ、体勢をを整える。幸い鶴君はけがもなく、はい上がっての第一声は、「男女もまだ水温の高かばい」と身を挺して水温を計って来た真実味のある事を言う余裕を見せていた。しかしその滑りやすい狭い足場でブーツを脱ぎ、濡れた上着を脱ごうとした時、再度スリップダウン、今度は側に置いていた新品のインテッサ1.5−50の2番を肘で押しつぶしポッキリ、片足で脱いでいたブーツの片方を蹴って海へポチャン。急いでタモで掬おうとするが潮に乗ってプカリプカリと流れていく。もう一つの被害が通じもしないのに携帯電話をベストのポケットにいれていたこと。男女にきてさあ今からというときだけに鶴君の嘆きになんと答えていいか、人ごとでないような気持ちになり釣りどころでない気分であった。
磯で一休み
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幸いばらもんが再度来たので遠くまで流れたブーツを拾ってもらい一安心。とにかく足場を決めたら一歩も動くことが出来ない。そんな状況で釣り開始。潮は男島に向かって右へゆっくりと動いている。もうすぐ満潮の潮止まりだ。タックルはグレ競技SP1.75−53、BBXテクニウム3000に道糸、ハリス共に4号、浮き下3ヒロ弱、50センチオーバーがきても対応出来る仕掛けを流す。浮きがゆっくりと消し込むのに合わせを入れると強引に突っ込んでいく、太仕掛けなので糸を送らず竿の弾力でこらえ引き寄せる。タモを入れる瞬間クロが水面下を横になり最後の抵抗をする。でかい、この時がクロ釣りの最高の楽しみだと私は思います。しばらくすると潮は下げ潮に変わり、上の赤瀬方向へ本流が走り出す。鶴君と「今落ちるとあっというまに流されるぞ、落ちたら上の赤瀬に向かって泳げよ」と話す間もなくバッグからロープを取り出しお互いの体をロープで縛り、アンカーボルトに結んだのでした。あれこれ仕掛けを変え、本流を攻めたのですが喰いが渋く、イズスミとクロが交互に当たり出す。
竿引きの当たりは1回、これはためることが出来ず糸を出したのが裏目にでて瀬ズレでバラシ、他にもお互い数度バラシを演じて48センチを7枚で終わりました。とにかく足場が狭く、滑りやすいので精神的に疲れてしまいました。本流の150メートル先で尾長をゲットすることは出来ませんでしたが、男女らしい釣りが出来ました。
午後からは男島の西泊あたりのワンドののんびりした所で鶴君の濡れた服を乾かしながら、おじさんを釣って時間をつぶし、夕まず目を狙いましたが空振り、夜は風が出てきて夜釣りをする気もせず、8時から6時まで二人とも熟睡、夜が明けても風やまず、9時には納竿し、船が回収に来るまで次の男女攻略方法をあれこれ2人で語りつつ今回の遠征を終了しました。
釣況としては、まだまだ水温が高く、夜釣りでは殆ど釣れてなく、昼釣りでも馬丁岩や畑曽根などのはなれ瀬がいいようです。男島地磯では潮が通らないとイズスミが湧いていて釣りにならない様です。1月に再度チャレンジ。

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