7月の初め、いつも磯釣りに行く時お世話になっている瀬渡し船「ばらもん」の松永さんから電話を頂いた。「24日、25日で男女群島の掃除に行きますけど来ませんか、釣りもできますよ」とのお誘いであった。返事を保留して早速私の釣り仲間で一番弟子?の鶴君へ電話を入れ誘ってみる。 24日、朝8時出港ということで鶴君が6時に我が家へ迎えに来る。途中、佐世保漁具店に寄り、餌と氷を調達し、津田さんの激励を受け出発する。 準備が整ったところで浦頭港を出港、男女群島を目指す。今回の清掃作業のスタッフは富田船長以下20名だ。僕等はあまり役に立てないけど… 邪魔にだけはならない様に気を付けようと思う。 ばらもんの受け持ちは中の島と花栗島の間の水道である。ここには男女群島でも第一級の釣り場で、シーズンともなると空く間が無いほど人気の磯がたくさんある所である。2人づつペアでダイバーを降ろしていく。「あんた達は釣りばしとってよかよ」と船長のありがたい言葉に甘えて、私と鶴君は普段めったに上礁できないSOSという磯に上げてもらった。今日の男女群島は私と鶴君の貸し切り状態だ。夏場はイスズミやサンノジ等の外道が多くてクロ釣りは不向きということで、男女のクロ釣りは12月〜3月がシーズンとされている。
ここは足元から深い落ち込みになっている。案の定足元に撒き餌を入れるとすごい数の魚が群れてやってくる。赤い色した海鯉、イスズミ、サンノジ、その中にクロも混じっている。鶴君の竿は3号のインターライン、私は2.5号の竿を使っている。まず鶴君が足元の群れの中からキロオーバーのオナガグロを引き出す。「ヒクー、ヒクー」とわめきながら、久し振りのオナガグロの引きを楽しんでいる。私は少し遠投してオナガを狙うが食ってこない。足元を甲羅が60センチ位あるウミガメがのんびりと泳いで行った。「鶴亀騒動」の始まりである。 私の右側で釣っていた鶴君は足元の瀬際と右側のサラシの淵を狙っている。時折大きなイスズミが掛かるが本命のオナガはなかなか姿を見せない。足元に仕掛けを入れていた鶴君に突然、3号の竿先を海中に引き込むすごい当たりが来た。「オーオオオ ヒァー アッ」と言う間にハリスが飛んだ。しばらくボー然とする鶴君。 「ふとかオナガのおるばい」と言いながら、私から5号のハリスを取って仕掛けを作り直している。 私にもキロオーバーのオナガがやっと来た。私は左のサラシから出て行く潮に乗せて当たりをつかんだ。右側のサラシに浮木を入れ、少しづつ沖に引かれる潮に乗せていた鶴君が大声でわめいた。
鶴が亀を釣った。 日本広しと言えども鶴が亀を釣ったのを見たのは私だけだろう。しかしさっきまで愛くるしい顔をだして泳いでいた亀が苦しんでいる姿をあまり見たくないので、糸を切ることにし、道糸を手に取り強く引くとハリスから切れた。「後で針ははずれるやろか」と心配したがどうにもできない。 お互いに3枚づつオナガを釣り、私にはおまけでキロちょっとのヒラスが来た。 東シナ海の水平線に沈む夕日は絶景だ!!それを眺めながら飲むビールのうまさは格別で表現のしようが無い!! 自然の雄大さ、素晴らしさ、この感激をみんなに分けてあげたい気持ちになる。
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